本所七不思議 -其の一-「置行堀」

雨が降りそうな薄曇りの日。

堀で釣りをたのしむ男。

日も落ちてきたので帰ろうとしたときだった。

“おいてけぇ おいてけぇ・・・”

堀から声がする。

足がすくんで動けない。

なんとか逃げ出したが、

魚籠は空っぽに。

掘に落ちてしまう者もいたりと、

どんなに魚を釣っても、置いていかなければならない・・・。

堀の声の主は何なのか・・・。


本所七不思議、「置行堀(おいてけぼり)」の話。