本所七不思議 -其の二-「狸囃子」

稲穂が実り、あたまを垂れる頃、

祭囃子や太鼓の音が毎夜あちこちから聞こえてくる。


ポン ポン ポポン!

「いやぁー 面白そうだなぁー!どこでやってるんだろう。

あっちかなぁー こっちかなぁー!?」

ここかしこと歩き回るが、場所がさっぱりわからない。

ポン ポン ポポン!

ポン ポポン!!

ポン ポポポン!!!


結局見つからず、歩き疲れ、

男はくたびれ果てて、家に帰り寝てしまった。

ところが・・・

「いやぁー 耳元で鳥が鳴くので目が覚めましてねぇ。

ひじを枕にして、いびきもかいてたみたいだけど、

そこは広い野原でしたわ!

やられちゃいましたねぇ、あっはっは!!!」


本所七不思議、「狸囃子(たぬきばやし)」の話。