本所七不思議 -其の六-「無灯蕎麦」

肌が凍るような寒い冬の夜のこと。

本所の割下水(わりげすい)にかかる橋の上に、

「二八」と太筆で書かれた行灯(あんどん)が置いてある蕎麦屋があった。

おかしなことに、いつも灯はついていない。

店主はどこへ行ったのだろう。

気を利かせた客が火をつけてやるが、たちまちに消えてしまう。

何度つけても消えてしまう。

こうして帰っていった者の家では、

必ず凶事が起こったという・・・。

誰もいない蕎麦屋。

灯を消すのは何者なのだろう・・・。

暗くてよく見えないが、

行灯の上に・・・ 何かが・・・

ぎゃーーーっ!!!!!


本所七不思議、「無灯蕎麦(あかりなしそば)」の話。